タオルをデザインする機会は少ないと思いますが、その中でも毛違いジャガード織りタオルとなると、ますます少ないのではないでしょうか?
染料プリントタオルや顔料プリントタオルはシルクスクリーン印刷ですので、紙印刷を経験されていれば特色による版のイメージはつながりやすいかと思いますが、ジャガードタオルは「織り物」です。
デザインの際に「出来上がった時にどうみえるか」がイメージしにくいと、せっかく作ったデザインが使えない…という事もありえます。
サイトでは「糸でデザインを表現する」という言葉ですが、この「糸」ができる表現について少しご説明します。
糸の太さ
まず、糸には番手といって太さがあります。
ミシンを使った事がある方は糸を買う時に#30などを見たことがあると思います。
(表示は国やメーカによって異なる場合があります)
ジャガードタオルは比較的太めの糸を使います。
毛違いジャガードタオルは通常両面パイルの状態です。
パイルとは、タオルを織る時に表にでる糸の輪です。
パイルへの置き換え
弊社でデザインに使える最小の細さは2mm以上としていますが、これはあくまで最小の細さなので、これを織った時はどうなるかというと…パイル1筋分しかありません。
お手持ちのタオルを見ていただければわかると思いますが、タオルはパイルが密集しています。そこの1筋にデザインが入っていたとしても、左右のパイルに押されて歪んだり埋もれたりするのがおわかりいただけますでしょうか?
デザインの一部であれば許容範囲ですが、文字だと可視性が低くなってしまいます。また、ボーダー表現するにしても、1パイルではヨロヨロとした弱い線の印象になります。
直線にするなら少なくとも3パイルくらいは欲しいところです。
それでもパイルですので均一な直線は難しいです。
編み図
ジャガード織りタオルを作る時には、編み図という設計図に置き換えます。
現場からよく指摘されるのが、曲線や斜め表現です。
タオルの目はドット図がイメージしやすいと思います。ドットで斜めの線を書こうと思ったらカクカクになりますよね。ここも直線と同じ様に、自然な斜めや曲線を表現するのであれば太さが必要になります。細いと途切れたように見えてしまうこともあります。
毛違いジャガードで文字や細かいデザインは苦手、というのはこういった理由からです。
ある程度の線の太さを確保しつつデザインすれば必然的に大きなデザインになってしまいます。
まとめ
- 毛違いジャガード織タオルは、パイルで表現できるデザインかどうかが肝心。
- 斜め・直線・文字の場合はサイズに注意
- パイルはある程度歪みができる
タオルの構造上出来ない表現や出来上がりのイメージを把握していると、デサインしやすくなるのではないでしょうか?身近にもジャガード織タオルはあると思います。デザインする際には観察してみてください。